2000年8月アーカイブ

20000812

存在がその存在自体を前提とするとともに結論とし、自己目的的自己実現を図るもの或いはその事態、それが存在芸術の定義である。存在芸術は事象の始点であると同時にそれが始点であることと全く同じ理由によって終点であるような形而上学的充足体であり、それは完全なる構造=完全なる芸術的存在体に他ならない。その意味において当該の存在は存在=芸術なのであり、それは当該の存在が存在芸術と呼称される所以でもある。その円環的立論構造からもわかるように、存在芸術は自己が自己に完全に一致する領野においてのみ運動可能である。つまりそれは世界に対するアプローチをもたず(世界-外-存在的であり)、存在芸術が我々に対して提示するのは唯一、自らの自同律的存在主張のみである。

存在芸術のコンセプトは恒等置換(全ての文字をその配列において再び固定する操作)のそれに近い。

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