2003年7月アーカイブ

20030728

人間であろうとすればするほど、そのもがきこそが端からすれば人間的なふるまいに見えるだろう。しかし当人にとってそれは人間の達成とはいえない。なぜなら、概念から構造的に疎外された者の回復は、救済(恩赦)、脱構築(棄却)、爆撃(攻撃)のいずれかによるほか構造的にあり得ないのだから。前二者のみが正確な意味での人間の回復をもたらしうる。

20030709

遠く、脱落してゆく記録を弔うために。時間という疑観念に敗北した自らに批判と罵声を浴びせるために。自らと同じく物事を単純な理論に換言=還元するに長けた理論家を鏡として、自らの配置を一般化する。都合的に合理化されたエピソードの数々がまた生き生きとした記憶として甦ることのないよう、ただひたすら象徴化する。たとえば高台で見た横顔を、陰影もわからぬ影絵に塗り潰してしまう。そんな、計画的な挫折。救いはない。

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